「共働きなので夫婦の収入を使って住宅ローンを組みたいです。単独ローン・ペアローン・収入合算はどれがいいですか?」
結論
夫婦の住宅ローンは、
「一番多く借りられる方法」で選ばないこと
が重要です。
比較するのは、
借入額
+諸費用
+団信
+住宅ローン控除等
+育休・退職時の返済
+将来の収入変化
です。
① 単独ローンとは?
夫または妻のどちらか一人が、住宅ローンの主な債務者として借りる方法です。
例えば、
夫の収入だけで必要額を無理なく借りられる。
という場合に検討できます。
単独ローンのメリット
住宅ローン契約が比較的シンプルです。
また、
もう一方の収入を住宅ローン返済の余力として残せる
という考え方もできます。
② ペアローンとは?
夫婦それぞれが住宅ローンを契約する方法です。
例えば、
夫2,000万円。
妻1,500万円。
というように、それぞれが債務者になります。
※金額は説明用の例です。
ペアローンのメリット
夫婦それぞれの収入を利用することで、単独ローンより借入可能額を増やせる場合があります。
また、一定の条件を満たせば、それぞれ住宅ローン控除等の対象になり得ます。
制度の適用条件は利用時点で確認します。
ペアローンの注意点① 借りすぎ
夫の借入可能額。
+
妻の借入可能額。
↓
「これだけ借りられるから家を高くしよう」
となるのは注意が必要です。
共働き収入が35年間続くとは限らない
住宅ローン返済中には、
出産。
育休。
時短勤務。
転職。
退職。
介護。
などで収入が変化する可能性があります。
ペアローンの注意点② 諸費用
夫婦それぞれが住宅ローン契約を行うため、単独ローンと比べて契約関係の費用が増える場合があります。
金融機関ごとに確認します。
ペアローンの注意点③ 団信
一般的なペアローンでは、それぞれが自分の借入部分について団信へ加入します。
例えば夫に万一のことがあり、夫側の借入が団信の保障対象になっても、
妻側の住宅ローンまで自動的になくなるとは限りません。
商品によって保障内容は異なります。
③ 収入合算とは?
一人を主な債務者として、配偶者等の収入を加えて審査する方法があります。
収入合算にも、
連帯保証型。
連帯債務型。
などがあり、金融機関・商品によって仕組みが異なります。
収入合算ならペアローンより簡単?
契約本数などの面で違いが出る場合がありますが、
団信。
住宅ローン控除等。
所有権持分。
責任範囲。
などは方式によって変わります。
「収入合算」という名前だけで判断しないこと
が重要です。
夫婦の収入を100%使わない
例えば、
夫年収500万円。
妻年収300万円。
↓
世帯年収800万円。
だから800万円を前提に最大限借りる。
ではなく、
どちらかの収入が一時的に減っても返済できるか
を確認します。
※年収は説明用の例です。
育休時のシミュレーション
特にこれから子どもを考えている家庭なら、
通常時。
育休時。
時短勤務時。
の3パターン程度で家計を確認すると分かりやすくなります。
持分にも注意
夫婦で資金を出す場合、
土地・建物の所有持分をどうするかも重要です。
実際の資金負担と登記上の持分が大きく異なる場合には、税務上の問題が生じる可能性があります。
契約前に専門家へ確認します。
将来の売却・離婚等も考える
考えたくないテーマですが、長期契約では重要です。
ペアローンでは、
売却。
離婚。
どちらかが家を出る。
といった場合でも、住宅ローン契約が自動的に整理されるわけではありません。
チェックポイント
- 単独でも必要額を借りられるか
- ペアローンで借りすぎていないか
- 収入合算の方式を確認したか
- 育休時の家計を試算したか
- 時短勤務を考えたか
- 団信の対象範囲を確認したか
- 諸費用を比較したか
- 所有持分を確認したか
- 住宅ローン控除等の条件を確認したか
- 片方の収入が減っても返済できるか
まとめ
単独ローン・ペアローン・収入合算は、
「どれなら一番多く借りられる?」で決めないこと。
夫婦で住宅ローンを組むなら、
今の世帯年収ではなく、どちらかの収入が減ったときにも返せるか
を見ることが重要です。
金融機関には、
「ペアローンならいくら借りられますか?」ではなく、「単独・ペアローン・収入合算で、諸費用・団信・控除・片方の収入減少時まで比較してください」
と相談する。
共働きだから借入額を増やすのではなく、共働きだからこそ家計に余裕を作る。
これが夫婦で住宅ローンを組むときの重要な考え方です。
















