よくある質問

軒や庇は深い方がいいの?軒ゼロ住宅は大丈夫?

「最近は軒のない家がおしゃれですが、軒って本当は必要なんですか?」

最近の住宅では、

軒を深く出した家

もあれば、

軒のほとんどないシンプルな家

もあります。

デザインだけを見ると、

「軒ゼロの方がすっきりしてかっこいい」

と感じる方もいるでしょう。

しかし軒には、

雨。
日射。
外壁。
窓。

に関係する重要な役割があります。

そもそも「軒」とは?

軒とは、

外壁より外側へ出ている屋根部分

です。

一方、

窓や玄関などの上に設ける小さな屋根状のものを、

庇(ひさし)

と呼びます。

どちらも、

雨や日射から建物を守る役割があります。

軒があると何が違う?

例えば雨の日。

軒が深ければ、

外壁。

窓。

玄関まわり。

へ直接雨が当たる量を減らす方向に働きます。

つまり、

外壁を雨から守る「傘」のような役割

があります。

軒が深いと外壁が長持ちする?

軒によって雨や紫外線の影響を抑えられる部分はあります。

ただし、

軒がある=外壁メンテナンス不要

ではありません。

方角。

風向き。

建物高さ。

周辺環境。

などによって雨の当たり方は変わります。

それでも、

外壁をできるだけ雨・日射へさらさない

という考え方は耐久性を考えるうえで重要です。

夏の日射遮蔽にも使える

南側の窓では、

夏の高い位置からの日射を軒や庇で遮り、

冬の低い位置からの日射を取り入れる、

という設計ができます。

これが、

日射遮蔽+日射取得

の考え方です。

軒は何cm出せばいい?

ここで、

「60cmあれば正解」

「90cmなら高性能」

とは決められません。

窓高さ。

方角。

緯度。

建物形状。

季節ごとの太陽高度。

などによって適切な寸法は変わります。

だから、

軒の長さではなく、窓にいつ日射が入るか

を確認します。

西日は軒だけでは防ぎにくい

西日は太陽高度が低いため、水平に近い方向から日射が入ります。

そのため深い軒だけでは遮りにくい場合があります。

西側では、

外付けシェード。

ブラインド。

植栽。

窓面積。

なども含めて考えます。

軒ゼロ住宅はダメ?

いいえ。

軒がない住宅でも、

外壁。

防水。

窓まわり。

屋根と壁の取り合い。

などを適切に設計・施工することは可能です。

重要なのは、

軒がない分、雨仕舞いをどう考えているか

です。

「雨仕舞い」って何?

雨仕舞いとは簡単に言えば、

建物へ雨水を侵入させず、入った水も適切に排出するための設計・施工

です。

屋根。

外壁。

窓。

庇。

板金。

防水層。

などを組み合わせて考えます。

窓上は特に確認

軒がほとんどない外壁に、

窓。

その上に庇もない。

この場合、雨が窓まわりへ直接当たりやすくなります。

だから、

サッシまわり。

防水テープ。

透湿防水シート。

シーリング。

などの施工が重要になります。

玄関に軒がないと?

雨の日。

玄関ドアを開ける。

傘を閉じる。

自分も荷物も濡れる。

ということがあります。

玄関ポーチでは、

ドアを開けて、傘を閉じて、鍵を操作できる範囲

まで屋根があるか確認します。

車から玄関まで濡れない?

さらに考えたいのが、

駐車場。

玄関。

です。

軒だけではなく、

カーポート。

玄関庇。

アプローチ。

までつなげれば、雨の日の動線を改善できる場合があります。

軒が深すぎると冬も暗くならない?

深い軒は夏の日射を遮る一方、

設計によっては冬の日射まで遮る可能性があります。

だから、

深ければ深いほどいい

ではありません。

夏と冬の両方で検討します。

太陽光との関係もある

屋根形状や軒の出は、

太陽光パネルを載せる面積。

屋根勾配。

外観。

などにも関係します。

軒だけを単独で決めず、

屋根+太陽光+日射+外観

で考えます。

よくある失敗例

シンプルな外観を優先して軒をほとんどなくした。

完成時は非常にスタイリッシュ。

しかし、

玄関では雨の日に濡れやすい。

南側は夏の日射対策を後からシェードで追加。

「軒をなくす前に、雨と日射への役割を理解しておけばよかった」

と感じた。

チェックポイント

  • 軒の役割を理解したか
  • 方角ごとの日射を考えたか
  • 夏の日射遮蔽を考えたか
  • 冬の日射取得を考えたか
  • 西日対策を考えたか
  • 軒ゼロの場合の雨仕舞いを確認したか
  • 窓上の防水を確認したか
  • 玄関で雨に濡れないか
  • 外壁への雨の当たり方を考えたか
  • 太陽光・屋根形状と一緒に考えたか

まとめ

軒は、

デザインのためだけに「付ける・なくす」を決めるものではありません。

軒には、

雨から守る。
夏の日射を遮る。
外壁や窓への負担を抑える。

という役割があります。

一方で、深すぎれば冬の日射まで遮る可能性があります。

だから住宅会社へ、

「軒は何cmですか?」ではなく、「夏至・冬至の時期に、この南窓へ日射がどう入りますか?」

と聞いてみる。

軒ゼロなら、

「軒をなくした分、窓・外壁・屋根との取り合いの雨仕舞いをどうしていますか?」

まで確認する。

見た目から軒を決めるのではなく、雨と太陽から軒を設計する。

これがポイントです。

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