「玄関なんて、靴を脱ぐ場所だからそんなに広くなくてもいい。」
そう考えて家づくりを進める方は少なくありません。
しかし、住宅会社として24年以上お客様と家づくりをしてきた中で、完成後に後悔の声が非常に多い場所の一つが玄関です。
その理由は、玄関は「家の入口」であると同時に、「暮らしのスタート地点」だからです。
朝、家族全員が出掛ける時間。
子どもが学校へ行く。
ご主人が仕事へ向かう。
奥様がゴミを出す。
その短い時間に、玄関には多くの人が集まります。
帰宅後も同じです。
買い物袋を持って帰る。
子どもはランドセルを背負って帰る。
ベビーカーをたたむ。
宅配便を受け取る。
雨の日には傘を乾かす。
このように玄関は、一日の中で最も多く使う場所の一つなのです。
ところが設計段階では、「玄関ホールは狭くても問題ない」と考えられがちです。
その結果、
「家族が同時に靴を履けない。」
「ベビーカーの置き場所がない。」
「靴箱から靴があふれている。」
「コートを掛ける場所がなく、リビングへ持ち込んでしまう。」
という後悔につながります。
さらに最近は、防災用品やアウトドア用品、子どものスポーツ用品など、玄関に置きたい物も増えています。
これらを考えずに設計すると、玄関はすぐに物でいっぱいになります。
私はお客様との打ち合わせで、「玄関は通る場所ではなく、暮らしを整える場所です」とお話ししています。
例えば、シューズクロークを設ければ、靴だけでなくベビーカーやゴルフバッグも収納できます。
帰宅後すぐに手を洗える動線や、コートを掛けられるスペースがあれば、花粉やウイルスをリビングへ持ち込みにくくなります。
また、玄関ドアの向きも重要です。
道路から家の中が見えない配置にするだけで、プライバシーも安心感も大きく変わります。
玄関は毎日使う場所だからこそ、少しの工夫が暮らしやすさを大きく左右します。
よくある失敗例
- 靴箱が小さい
- ベビーカーや自転車用品を置く場所がない
- コート収納がない
- 家族が重なると玄関が混雑する
- 道路から室内が見えてしまう
原因
玄関を「通路」と考え、生活動線や収納まで設計しなかったことです。
プロとしての考え方
私は玄関を、「家の第一印象」ではなく、「家族の毎日を支える場所」だと考えています。
見た目の美しさも大切ですが、それ以上に、使いやすさや収納計画、帰宅後の動線まで含めて設計することが、長く満足できる家につながります。
後悔しないためのチェックポイント
- 家族全員が同時に使える広さか
- 靴以外の収納も考えているか
- コートやカバンを置く場所があるか
- 帰宅後の手洗い動線はスムーズか
- プライバシーに配慮した玄関配置になっているか
まとめ
玄関は、家の顔であると同時に、家族の暮らしを支える大切な空間です。
「見せる玄関」より、「使いやすい玄関」。
その考え方が、毎日の小さなストレスを減らし、快適な暮らしにつながります。
















