「断熱材が少しくらい入っていない場所があっても、家全体にはそれほど影響しませんよね?」
断熱性能を考えるうえで知っておきたいのが、
「断熱欠損」
です。
簡単に言えば、
本来断熱材が必要な部分に、断熱材が入っていない、または十分に施工されていない状態
です。
高性能な断熱材を使っていても、部分的に断熱が途切れていれば、本来想定した性能を発揮しにくくなります。
断熱材は「連続していること」が重要
例えば冬に厚いダウンジャケットを着ても、
一部分だけ大きく穴が開いていれば、そこから寒さを感じます。
住宅の断熱も考え方は似ています。
壁。
天井・屋根。
床・基礎。
窓まわり。
などを、
断熱層でできるだけ連続して包むこと
が重要です。
どんな場所で起こりやすい?
注意したいのは、
柱・梁まわり。
筋かい部分。
コンセント周辺。
配管・配線部分。
窓・玄関ドア周辺。
屋根と壁の取り合い。
床と壁の取り合い。
などです。
複雑な部分ほど施工が難しく、
細かな隙間や断熱材の不足が起こらないよう丁寧な施工
が必要になります。
設計上のUA値だけでは分からないこともある
UA値は、家全体の断熱性能を確認する重要な指標です。既存Q2でも、家の中の熱がどれくらい外へ逃げるかを示す数値として説明されています。
しかし、
設計図上で高い性能になっていても、
現場で計画どおり施工されなければ、その性能を十分に発揮できません。
既存Q14でも、「100点の設計図でも施工が60点なら、完成する家も60点」という考え方で、施工品質の重要性が説明されています。
断熱欠損は結露にも注意
断熱が途切れた部分では、周囲より表面温度が低くなる場合があります。
条件によっては、
結露リスクにも関係します。
特に壁の中で起こる結露は目で確認しにくいため、
断熱。
気密。
防湿。
を一体として考えることが重要です。
完成すると見えなくなる
断熱材の難しいところは、
家が完成するとほとんど見えなくなること
です。
石膏ボードや仕上げ材を施工した後では、断熱材の状態を簡単には確認できません。
そのため施工中に、
断熱材の厚み。
隙間。
欠損。
配管周辺。
窓周辺。
などを確認する施工管理が重要になります。
よくある失敗例
「高性能な断熱材を使っているから安心」
と思っていた。
しかし施工中の確認はしていない。
完成後は壁の中なので見えない。
結果、
材料の性能だけを確認して、施工状態を確認していなかった。
原因
「高性能な断熱材を使えば、高性能住宅になる」と考えてしまったことです。
実際には、
材料の性能を現場で再現する施工品質
が必要です。
後悔しないためのチェックポイント
- 断熱材が連続して施工されているか
- 必要な厚みを確保しているか
- 窓まわりを確認しているか
- 配管・配線部分を確認しているか
- 壁・屋根・床の取り合いを確認しているか
- 施工中の検査を行っているか
- 気密測定も実施しているか
まとめ
断熱性能で大切なのは、
「良い断熱材を使うこと」だけではありません。
本当に重要なのは、
断熱材が家全体で途切れず、計画どおり施工されていること。
設計上の数字が良くても、現場で断熱欠損があれば本来の性能を十分に発揮できません。
だから、
設計性能+施工品質。
この両方を確認することが、本当に暖かく、涼しく、長く安心して暮らせる家につながります。
















