「高気密住宅は、料理のにおいが家中に残りやすいって本当ですか?」
高気密住宅にすると、
「焼肉や魚料理のにおいが家中に広がる」
という話を聞くことがあります。
しかし、
高気密であること自体が、においを発生させるわけではありません。
重要なのは、
料理で発生したにおい・煙・水蒸気を、発生した場所で適切に排出すること
です。
キッチンでは大量の空気を排気する
料理中は、
におい。
煙。
油。
水蒸気。
などが発生します。
これらを排出するのが、
レンジフードです。
24時間換気とは別に、料理中はレンジフードを使って、
発生源の近くで集中的に排気する
ことが重要です。
高気密住宅では「給気」も重要
ここが高気密住宅で特に重要なポイントです。
レンジフードで大量の空気を外へ排出すると、
その分、どこかから空気を入れる必要があります。
気密性能が低い家なら、さまざまな隙間から外気が入ってきます。
しかし高気密住宅では、
給気まで考えたレンジフード計画
が重要になります。
給気不足になるとどうなる?
レンジフードで強く排気しているのに、必要な給気が不足すると、室内が負圧になりやすくなります。
その結果、
玄関ドアが開けにくく感じる。
想定外の場所から空気を引き込みやすくなる。
換気計画へ影響する。
などの可能性があります。
だから、
高気密住宅では「排気量」だけではなく「給気量」まで考える
ことが重要です。
同時給排気型レンジフードという方法もある
高気密住宅では、
排気と同時に給気を行うタイプのレンジフード
を検討する方法もあります。
料理中に排出する空気に合わせて外気を取り入れることで、
住宅全体の空気バランスへの影響を抑えやすくする
という考え方です。
どの方式が適切かは、住宅全体の換気計画と合わせて検討します。
第一種換気とのバランスも重要
第一種換気は、
給気も機械。
排気も機械。
で計画的に空気を動かします。
さらに熱交換型なら、室内の熱をできるだけ活かしながら換気できます。
しかし料理中のレンジフードは、24時間換気より大きな風量で排気することがあります。
そのため、
第一種換気を付けているからレンジフードの給気まで考えなくていい
とは限りません。
家全体で空気の収支を考えることが重要です。
間取りもにおいの広がりに関係する
最近は、
LDK一体型。
アイランドキッチン。
吹き抜け。
リビング階段。
など、空間が大きくつながった間取りも増えています。
こうした間取りでは、料理のにおいが広い範囲へ移動しやすいことがあります。
だから、
住宅性能だけでなく、キッチン形状や間取りも含めて考える
必要があります。
よくある失敗例
「高性能な第一種熱交換換気があるから大丈夫」
と思い、キッチンの換気計画はあまり確認しなかった。
料理をすると、
においがLDKから吹き抜けを通って2階へ。
さらにレンジフード使用時の給気も考えていなかった。
原因
24時間換気とキッチンの局所換気を同じものだと考えてしまったことです。
後悔しないためのチェックポイント
- レンジフードの排気量を確認したか
- 給気方法を確認したか
- 同時給排気型を検討したか
- 第一種換気とのバランスを考えたか
- キッチン形状を考えたか
- 吹き抜けへのにおいの広がりを考えたか
- フィルターやレンジフードを清掃しやすいか
まとめ
料理のにおい対策で重要なのは、
「高気密だからにおいがこもる」と考えないこと。
大切なのは、
発生した場所でしっかり排気することです。
そして高気密住宅では、
排気した分の空気をどこから入れるのか
まで考える。
特に、
高気密+第一種熱交換換気+レンジフード
を採用する場合は、住宅全体の給気・排気バランスを考えることが重要です。
「換気扇を付ける」だけではなく、「空気の入口と出口をセットで設計する」。
これが、料理のにおいが広がりにくく、換気設備もしっかり機能する家づくりにつながります。
















