「コンセントがあれば、どんな家電でもそこにつないで大丈夫ですよね?」
回路
について説明しました。
家中のコンセントは、すべてが一つの電線につながっているわけではありません。
分電盤から複数の回路に分けて電気を送っています。
その中で、
特定の設備・機器のために設けるのが、
専用回路
です。
そもそも専用回路とは?
簡単に言えば、
特定の電気機器専用として、分電盤から個別に配線する回路
です。
例えばエアコン。
分電盤
↓
専用ブレーカー
↓
配線
↓
エアコン用コンセント
というイメージです。
なぜ専用回路が必要なの?
家電の中には、
大きな電力を使うものがあります。
例えば同じ回路で、
電子レンジ。
電気ケトル。
トースター。
を同時に使用すると、
回路の容量を超えてブレーカーが作動する可能性があります。
そこで、
電力を多く使う設備を適切に分ける
必要があります。
15A・20Aって何?
コンセントや回路では、
A(アンペア)
という数字が出てきます。
Aは電流を表す単位です。
例えば100Vで15Aなら、単純計算では、
100V × 15A
=1,500W
となります。
ただし実際の回路設計や連続使用の条件などは、電気設備の基準・機器仕様に従います。
電子レンジは消費電力を確認
電子レンジに、
「600W」
と書いてある。
だから消費電力600W。
と思うかもしれません。
ここは注意が必要です。
電子レンジの、
600Wは食品を加熱する高周波出力を示している場合があります。
実際にコンセントから使用する消費電力は、それより大きい場合があります。
だから、
家電本体の定格消費電力
を確認します。
キッチン家電は同時使用を考える
朝、
電子レンジON。
↓
電気ケトルON。
↓
トースターON。
↓
炊飯器も動いている。
これは珍しい生活ではありません。
だからキッチンでは、
「最大で何を同時に使うか」
を考えて回路を分けます。
食洗機は?
ビルトイン食洗機も電気を使用します。
特に、
ヒーター乾燥。
温水洗浄。
などを行う機器では一定の電力が必要です。
採用する機種の仕様に合わせ、
必要な電源・回路
を設計します。
海外製食洗機などを検討する場合は、電源条件を早めに確認します。
エアコンは専用回路が基本
エアコンは、
機種によって、
100V。
200V。
があります。
さらにコンセント形状や必要な回路条件が異なります。
だから、
「将来エアコンを付ける予定だから、コンセントだけ付けておく」
ではなく、想定する機器に合った専用回路まで準備することが重要です。
衣類乾燥機も確認
電気式衣類乾燥機。
洗濯乾燥機。
なども、機種によって必要な電源条件が異なります。
ランドリールームをつくるなら、
今使う洗濯機だけでなく、
将来どんな乾燥設備を置く可能性があるか
まで考えます。
洗面のドライヤーも意外と大きい
ドライヤーは、
1,200W。
1,400W。
など、大きな電力を使う製品があります。
家族2人が、
それぞれドライヤー。
ヘアアイロン。
美容家電。
を同時使用。
ということもあります。
洗面所でも、
同時使用を想定した回路計画
が必要です。
「コンセントを増やす」と「回路を増やす」は違う
ここは非常に重要です。
2口コンセントを、
4口。
6口。
に増やす。
でも、
すべて同じ回路。
なら、使える電力そのものが単純に何倍にも増えるわけではありません。
つまり、
差込口の数と、回路容量は別の話
です。
延長コードで増やしても同じ
コンセントが足りない。
↓
電源タップ。
↓
6台接続。
差込口は増えます。
しかし元は一つのコンセント・回路です。
大きな電力を使う家電を同時使用すれば問題になる可能性があります。
だから新築時には、
必要な場所へ必要な回路を設計する
ことが大切です。
将来の家電まで考える
10年後、
高出力の調理家電。
新しい食洗機。
大型エアコン。
EV。
などを導入するかもしれません。
すべてを予測することはできません。
だからこそ、
分電盤に予備回路・増設余地を残す
という考え方が重要です。
よくある失敗例
キッチンにはコンセントをたくさん設置。
「これなら完璧」
と思っていた。
しかし、
電子レンジ。
ケトル。
トースター。
を同時に使うとブレーカーが作動することがある。
確認すると、
複数のコンセントが同じ回路につながっていた。
「コンセントの口数ではなく、回路分けまで確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 専用回路の意味を理解したか
- コンセント数と回路数を混同していないか
- 電子レンジの定格消費電力を確認したか
- キッチン家電の同時使用を考えたか
- 食洗機の電源条件を確認したか
- エアコン専用回路を確認したか
- 100V・200Vを確認したか
- 洗面家電の同時使用を考えたか
- 将来設備を想定したか
- 分電盤に予備回路があるか
まとめ
専用回路とは、
大きな電力を使う設備などのために、分電盤から個別に設ける回路
です。
そして重要なのは、
コンセントが多い=たくさん電気を使える
ではないこと。
見るべきなのは、
どのコンセントが、
どの回路につながっているか。
だから住宅会社へ、
「キッチンにコンセントを6口付けてください」だけではなく、「電子レンジ・ケトル・トースターを同時に使った場合、回路はどう分かれていますか?」
と聞いてみる。
さらに、
「食洗機・エアコン・将来設備で、どこに専用回路を設けますか?」
まで確認する。
コンセントの数ではなく、電気の使い方から回路を設計する。
これが、新築の電気設備で後悔しないためのポイントです。
















