家づくりを考えている方から、「家を建てた人は何を一番後悔していますか?」という質問をよくいただきます。
住宅会社の代表として24年以上、多くのお客様と家づくりに携わってきましたが、一番多い後悔は、設備やデザインではありません。
それは、「暮らしを想像せずに家を建ててしまったこと」です。
家づくりでは、間取り、外観、キッチン、床材、クロス、照明など、決めることが数え切れないほどあります。そのため、どうしても「見た目」や「最新設備」に意識が向きがちです。
しかし、実際に住み始めて数か月すると、お客様から聞こえてくるのは次のような声です。
「洗濯物を持って階段を何度も上り下りするのが大変だった。」
「玄関収納が足りず、ベビーカーやゴルフバッグの置き場がない。」
「コンセントが少なく、延長コードだらけになってしまった。」
「冬になると廊下や脱衣所が寒く、お風呂に入るのが苦痛。」
「リビングは広いけれど、収納が少なく散らかってしまう。」
どれも家そのものが悪いわけではありません。
原因は、「図面」を見て家を決め、「暮らし」を見ていなかったことです。
図面では生活のイメージはなかなかできません。しかし、人は毎日同じ生活を繰り返します。
朝起きて、顔を洗い、朝食を作り、子どもを送り出し、洗濯をして、買い物へ行き、夕食を作り、お風呂に入り、眠る。
この一連の流れを設計段階でどれだけ具体的にイメージできるかで、住み心地は大きく変わります。
私はお客様との打ち合わせで、必ず「この家で朝起きてから夜寝るまで、一緒に歩いてみましょう」とお話しします。
例えば、
「買い物から帰ってきたら、どこに荷物を置きますか?」
「洗濯機から干す場所までは何歩ですか?」
「子どもが学校から帰ってきたらランドセルはどこに置きますか?」
そんな小さなことを一つずつ確認するだけで、多くの後悔は防ぐことができます。
家づくりは「建てること」が目的ではありません。
その家で何十年も笑顔で暮らすことが目的です。
見た目は年月とともに慣れていきます。しかし、生活のしやすさは毎日感じるものです。
後悔しないためのチェックポイント
- 朝起きてから寝るまでの生活をイメージしたか
- 家事動線を実際に歩いてみたか
- 将来の家族構成まで考えたか
- 見た目より暮らしやすさを優先したか
まとめ
家づくりで一番多い後悔は、「家」を見て、「暮らし」を見ていなかったことです。
図面は完成しても、暮らしは始まってからが本番です。
建てる前に暮らしを設計すること。
それが、後悔しない家づくりへの第一歩です。
















