【家づくりの罠】「建物本体価格が安すぎる見積り」で契約してはいけない理由
マイホーム計画を始めると、広告やチラシで「建物本体価格1,680万円!」といった魅力的な数字を目にすることがあります。「この金額なら予算内に収まる」と嬉しくなりますが、私はこの安さだけに飛びついて契約することに慎重でありべきだと思います。
なぜ、建物本体価格が安すぎる見積り書でそのまま契約してはいけないのでしょうか。後悔しない家づくりのために、プロの視点からその裏側を深掘りします。
- 「家は建物だけでは住めない」という現実
結論から言うと、チラシなどに掲載されている「建物本体価格」とは、あくまで家そのものを建てるための最低限の工事費用に過ぎないケースがほとんどだからです。
実際にその家で人間が不自由なく暮らせるようになるまでには、以下のような非常に多くの「別途費用」が発生します。
- 付帯工事費: 敷地に水を引き込む給排水工事、電気を繋ぐ工事、工事用の足場を組む仮設工事など
- 外構工事費: 駐車場のコンクリート、門扉、フェンス、お庭の整備など
- 生活必需品: 各部屋の照明器具、カーテン、エアコンの設置など
- 諸経費・申請費用: 建築確認申請などの手続き費用や登記費用
心理学には、最初に出会った数字が基準となり、その後の判断が歪められる「アンカリング効果」というものがあります。本体価格をあえて極端に低く見せて「安い!」と思わせ、まずは顧客の興味を惹きつけるという販売手法をとる会社も少なくありません。これに気づかず契約してしまうと、後から「あれもこれも入っていなかった」と追加工事や仕様変更が重なり、最終的な総額が当初の想定を大幅にオーバーするという悲劇が生まれてしまうのです。
- 住宅会社を比較するなら「総額勝負」
家づくりにおいて、本当に比較すべきなのは建物本体価格ではなく、「生活を始められる状態(住める状態)になるまでの総額」です。
同じ間取りの家であっても、見積り書に「どこまでの工事が含まれているか」の基準は住宅会社によってバラバラです。一見、本体価格が安く見えるA社でも、付帯工事や外構がすべて別途計算であれば、最初からすべてを含めているB社の方が最終的に安かった、ということは日常茶飯事です。
契約前に担当者へぶつけるべき「魔法の質問」
見積り書の嘘を見抜き、後からの追加費用を防ぐために、営業担当者に必ず次の質問を投げかけてみてください。
「住めるまで全部含めると、総額はいくらになりますか?」
この質問をすることで、以下のポイントが明確になります。
- 付帯工事や諸経費は網羅されているか
- 外構工事(庭や駐車場)の見積りは予算取りされているか
- 照明、カーテン、エアコンなどの生活設備まで入っているか
これら5つの要素が最初からきちんと整理され、内訳までオープンになっている見積り書は、他社とも比較しやすく、契約後の金額トラブルが圧倒的に少ない傾向にあります。
まとめ:目先の数字ではなく「出口の金額」を見よう
マイホームは人生で一番大きな買い物だからこそ、目先の「本体価格」に惑わされてはいけません。大切なのは、実際に鍵を受け取って暮らし始めるまでに必要な「総額」で比較することです。
現在検討中の見積り書がある方は、ぜひ一度立ち止まり、それが「住める状態の総額」になっているかを確認してみてください。
デザインハウス久留米福岡 代表河村三徳
















