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「転居引越しうつ(リロケーション・ダメージ)」を防ぐための、シニアの体調管理と生活環境選びのコツ

住環境の劇的な変化は、若い世代が想像する以上に、高齢のシニアの脳と身体に強烈なストレスを与えます。心理学や医療の世界では、環境の変化によって認知症が急激に進行したり、無気力になったりする現象を「リロケーション・ダメージ(転居ストレス症候群)」と呼びます。せっかくの新築を笑顔で迎えるために、仮住まい生活で絶対に守るべき心身の防衛策を解説します。

  • リロケーション・ダメージの正体とシニアが陥りやすい症状

人間は年齢を重ねるほど、長年培ってきた「毎日のルーティン」によって精神の安定を保っています。「朝起きて、いつもの窓からいつもの景色を見て、いつもの散歩コースを歩き、いつものスーパーで顔なじみの店員と一言交わす」。この当たり前の日常が、建て替えによって一瞬で奪われます。仮住まいのアパートに入った途端、「部屋の間取りが違い、夜中にトイレに行くのに迷って転倒する」「外の騒音の聞こえ方が違い、不眠になる」「近所に知り合いがおらず、一歩も外に出なくなる」といったことが重なり、「急に物忘れがひどくなる(認知症の顕在化)」「気分が落ち込んで涙もろくなる(引越しうつ)」といった症状が引き起こされるのです。

  • 防衛策①:仮住まい先の立地は「徹底的に実家の近く」にこだわる

予算や広さに負けて、実家から電車で何駅も離れた全く見知らぬ土地の物件を仮住まいに選ぶのは、シニア世代にとっては最悪の選択です。多少家賃が高く、部屋が狭くなったとしても、「元の実家から徒歩圏内、あるいは車や自転車で5分圏内」のエリアで仮住まいを探すことが鉄則です。これなら、通い慣れたかかりつけの病院、いつもの美容室、いつものスーパーを変えずに済みます。また、毎日「実家が少しずつ解体され、新しく建っていく様子」を散歩がてら見に行くことができるため、「家を失った寂しさ」が「新居へのワクワク感(前向きな期待)」に変わり、メンタルを健やかに保つことができます。

  • 防衛策②:仮住まい先の部屋の中に「実家の馴染みの風景」を再現する

「どうせ半年の仮住まいだから、荷物は全部段ボールのままでいいや」と、段ボールに囲まれた殺風景な部屋で過ごすのはやめましょう。長年愛用してきた「座椅子」や「お気に入りのクッション」、いつも眺めていた「家族の写真やカレンダー」「使い慣れたマグカップ」などは必ず仮住まいに持ち込み、真っ先に部屋にセッティングしてください。視覚や触覚で「いつもと同じ安心感」を感じられるアイテムが身近にあるだけで、脳の興奮や不安を劇的に和らげる効果があります。

  • 家族や周囲のサポートのあり方

子供世代やパートナーは、シニアが「前言撤回して、建て替えなんかしたくなかったと言い出す」「急に怒りっぽくなる」といった変化を見せたら、単なるワガママと思わず「環境の変化による防衛反応(ストレス)だな」と理解して寄り添ってください。意識的に外食に連れ出したり、新居のカタログを一緒に眺めて楽しい未来の話をしたりして、孤独感を感じさせない細やかな声かけが最高の特効薬になります。

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