「購入予定の土地にあるフェンスが、少しこちら側に入っているように見えます。数センチなら気にしなくても大丈夫ですか?」
土地の境界付近には、
フェンス。
ブロック塀。
擁壁。
物置。
植木。
など、さまざまなものがあります。
現地を見ると、
「このフェンスが境界だろう」
と思ってしまいがちです。
しかし、
フェンスやブロック塀がある位置と、実際の境界線が一致しているとは限りません。
特に古い住宅地では、昔からあるフェンスや塀が境界線から少しずれて設置されていることもあります。
だから土地購入前には、
境界とフェンスの位置を分けて確認すること
が大切です。
まず「誰のフェンスか」を確認する
境界付近にフェンスがあったら、
最初に確認したいのは、
そのフェンスが誰の所有物なのか
ということです。
自分が購入する土地側のものなのか。
隣地所有者のものなのか。
境界線上に設置された共有物なのか。
ここを確認します。
見た目だけでは判断できません。
数センチだから大丈夫?
「2cmくらいなら別にいいでしょう」
と思うかもしれません。
しかし土地の境界では、
数センチでも将来問題になる可能性があります。
例えば、
新しいフェンスを作りたい。
カーポートを設置したい。
家を建替えたい。
土地を売却したい。
となったとき、
「このフェンスはどちらの土地にあるの?」
という問題が出てくる可能性があります。
今の所有者同士では、
「昔からこうだから」
で済んでいても、所有者が変われば同じとは限りません。
越境していたらどうする?
実際に隣地所有者のフェンスなどが購入予定地へ越境していることが確認された場合、
そのまま曖昧にして購入しないこと
が大切です。
まず、
境界はどこなのか。
どの部分が越境しているのか。
誰の所有物なのか。
撤去・移設するのか。
現状のままにする場合は、将来どのように対応するのか。
などを確認します。
ケースによって対応は異なりますので、売主・仲介会社などを通して整理してもらいましょう。
「今すぐ撤去できない」ケースもある
越境物が見つかったからといって、
必ず土地引渡しまでに撤去できるとは限りません。
例えば、
古いブロック塀。
建物の一部。
屋根。
配管。
など、すぐに撤去・移設するのが難しいものもあります。
そのような場合には、
将来建替えや改修などを行う際に越境を解消する
といった内容について、当事者間で書面を取り交わすケースもあります。
大切なのは、
口約束だけで終わらせないこと
です。
よくある失敗例
土地を見たとき、境界付近に古いフェンスがあった。
「昔からあるものだから問題ないでしょう」
と思って購入。
数年後、自分たちのフェンスを新しくしようと測量図を確認すると、
隣地側のフェンスがこちらへ越境している可能性が分かった。
隣地所有者へ話をすると、
「昔からこの位置です」
となり、話し合いが必要になった。
購入前なら売主側で確認できた問題を、
購入後は自分たちで対応しなければならなくなる可能性があります。
原因
「フェンス=境界線」と思い込んでしまったことです。
フェンス。
ブロック塀。
植木。
側溝。
こうした目に見えるものと、土地の境界は分けて確認してください。
土地選びでの考え方
境界付近に工作物がある土地では、
① 境界標を確認
↓
② 測量図を確認
↓
③ フェンス等の所有者を確認
↓
④ 越境していないか確認
↓
⑤ 越境があれば対応方法を確認
↓
⑥ 必要な内容を書面で整理
という順番で確認します。
土地を買う前だからこそ、整理できることがあります。
後悔しないためのチェックポイント
- 境界標を確認したか
- 測量図を確認したか
- フェンス・塀の所有者を確認したか
- 越境していないか
- 越境している場合の対応を確認したか
- 将来の解消方法を確認したか
- 必要な内容を書面で残しているか
まとめ
境界付近にフェンスがあっても、
「そこが境界」とは限りません。
重要なのは、
境界線と工作物の位置を別々に確認すること。
そして越境が見つかったら、
「数センチだからいい」
で終わらせず、
購入前に誰のものなのか、将来どうするのかまで整理する。
境界トラブルは、買った後に解決するより、
買う前に確認することが一番大切です。
















