質問
「高断熱・高気密住宅は冬には良さそうですが、久留米のように夏や梅雨が蒸し暑い地域では、湿気が家の中にこもりませんか?」
結論
久留米の高性能住宅では、冬の断熱だけでなく「夏の除湿」まで最初から設計することが重要です。
基本は、
高断熱+高気密+日射遮蔽+計画換気+冷房・除湿
です。
特に注意したいのは、
「換気を増やせば湿度が下がる」とは限らない
ことです。
梅雨・夏は外気そのものに多くの水蒸気が含まれているため、外気を入れるだけでは室内の水分を減らせない場合があります。
① 「温度」と「湿度」は別に考える
室温が25℃なら快適、とは限りません。
同じ25℃でも湿度が高ければ蒸し暑く感じます。
高性能住宅では、
何℃にする?
だけでなく、
水蒸気をどう減らす?
まで考えます。
② 高気密だから湿気が発生するわけではない
住宅内の湿気は、
人の呼吸。
料理。
入浴。
室内干し。
外気。
などから発生・流入します。
高気密住宅は湿気をつくる住宅ではありません。
むしろ意図しない外気流入を抑え、換気・空調で温湿度を管理しやすくするという考え方です。
③ 梅雨に窓を開ければ除湿できる?
外が乾燥していれば有効な場合があります。
しかし、外気の水蒸気量が多い日に窓を開ければ、湿った空気を室内へ取り込むことになります。
だから、
「湿度○%」だけでなく外気の水蒸気量も考える
ことが重要です。
④ 相対湿度だけで判断しない
例えば同じ「湿度70%」でも、空気の温度によって含まれる水蒸気量は違います。
住宅の湿気管理では、相対湿度だけでなく絶対湿度など水蒸気量の考え方も役立ちます。
⑤ 夏の日射を入れすぎない
西日などで室内へ大量の熱が入れば、冷房負荷も大きくなります。
そこで、
Low-Eガラス。
軒・庇。
外付けシェード。
窓サイズ。
などを利用します。
湿気対策も、まず夏の熱を入れすぎないところから考えることが重要です。
⑥ エアコンの除湿能力を活用する
エアコンは室内を冷却する過程で除湿も行います。
しかし高断熱住宅では、室温が早く設定温度まで下がり、冷房運転が弱まることで、条件によっては温度は低いのに湿度が高い状態になることがあります。
そのため、住宅の冷房負荷に合った空調計画が重要です。
⑦ エアコンを大きくしすぎない
「大きなエアコンなら安心」
とも限りません。
住宅性能に対して過大な能力のエアコンを採用すると、短時間で室温が下がり、除湿とのバランスが取りにくくなるケースも考えられます。
UA値・日射・間取りなどから必要能力を検討することが重要です。
⑧ 第一種熱交換換気だけで除湿できる?
一般的な熱交換換気は、除湿機やエアコンそのものではありません。
全熱交換型では湿度負荷を抑える方向に働く場合がありますが、
熱交換換気=除湿設備
ではありません。
久留米では、換気と空調・除湿をセットで考えます。
⑨ ランドリールームは特に注意
洗濯物を室内干しすると、大量の水分が室内へ放出されます。
そのため、
換気。
エアコン。
除湿機。
衣類乾燥機。
など、実際の洗濯スタイルに合わせて湿気対策を計画します。
⑩ 床下・収納も確認
湿気対策はLDKだけではありません。
床下。
押入れ。
ウォークインクローゼット。
北側収納。
など、空気が動きにくい場所にも注意します。
家具を壁へ密着させすぎないなど、住み方も関係します。
⑪ 室内湿度を測れるようにする
住み始めてから、
「なんとなくジメジメする」
ではなく、温湿度計などで確認する習慣も有効です。
高性能住宅では、温度だけでなく湿度を見ながら空調することが重要です。
チェックポイント
- 夏の除湿計画を確認したか
- 外気湿度だけでなく水蒸気量を考えたか
- 日射遮蔽を計画したか
- エアコン能力を適切に選んだか
- 熱交換換気だけに除湿を任せていないか
- 室内干しの湿気を考えたか
- 床下・収納まで確認したか
まとめ
住宅会社には、
「高気密だから夏は湿気がこもりませんか?」ではなく、
「久留米の梅雨・夏の高温多湿を前提に、日射遮蔽・換気・エアコン・除湿をどう組み合わせて室内の温度と水蒸気量を管理しますか?」
と質問する。
久留米の高性能住宅では、
冬は暖かくするだけでは不十分。
夏は熱を入れず、湿気を増やしすぎず、適切に除湿する。
ここまで考えて初めて、年間を通した高性能住宅になります。
















